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JRSJ Vol.16, No.7

Vol.16, No.7 「リフェレンス・オブ・リファレンス」

 産業用ロボット元年と言われた1980年から数えても,ロボット学の研究は20年近くの歴史を持つに至り,新しい研究の意義付けを行う際により細心の注意が必要になってきている.過去を知り過ぎると,真にオリジナリティのある研究が生まれ難くなるのは確かであるが,一方でどんな力作でも過去に同じ研究があると新規性を認められないのは不可避の事実である.このような不幸な偶然の一致が起こるのをできるだけ防ぎ,貴重な労力の非効率的な投資を避けるための情報を提供するのも,学会の果たすべき重要な役割の一つであると思われる.そこで本特集では,研究分野別に当該分野の研究の現状を把握するために調査すべきリソース,例えば内外の教科書,学術雑誌,その特集号,解説,国際会議,データベース,Webページの所在等のメタな情報の提供・解説を行い,“References of References in Robotics”とすることを目的とした.
 本特集では,次のような編集方針を採った.研究分野としては,比較的確立した分野,ある程度「枯れた」分野を中心として選ぶ.最新の研究動向,個別の研究の紹介は行わない.したがって,原著論文を原則として参照しない.解説,サーベイのみ参照する.新しい研究の芽を摘むことを避けるため,否定的な意見は極力書かない.
 読み筋としては,大学院生,ある分野に新規参入する研究者・技術者を想定し,大学院生が研究テーマを設定する際に過去の研究の概要を知りたいとき,企業の研究者や技術者が研究開発テーマについての現状を早急に調べたいとき,自分の研究テーマとは異なる分野について大体の現状を知りたいとき等に有用であることを目指した.
 研究分野としては,学術講演会の分類キーワード等を参考にし,機構学と動力学,ロボットの制御,ビジョン,多指ハンド,触覚,脚移動,移動ロボット,テレロボティクス,マニピュレーション,マイクロマシン,幾何アルゴリズム,作業教示と計画,フレキシブルロボットの13分野を対象とし,各分野の第一線で活躍されている方々に執筆をお願いした.