JRSJ Vol.17, No.5
Vol.17, No.5  「ロボットの作業環境」

 いかなる種類のロボットであろうと,その機構や制御系を設計するにあたっては,ロボットを使用する環境についての考察を行うことが極めて重要な作業の一つとなる.ロボットの導入が考えられる環境は多岐にわたるため,環境に適応させるための方策も多種多様である.例えば,新規に生産工場を立ち上げる場合には,最初からロボットの使用を考慮した作業環境を構築することが可能であり,ロボットの作業の効率化を図るためには,ロボット自身の設計と,作業環境の設計という両側面から目標を追求することが可能である.これに対して,地球から遠く離れた惑星を探査するロボットの場合には,作業環境に直接手を加えることができないばかりではなく,作業環境に関して,ほとんどの要素が未知の状態のままでロボットが自律的な作業をこなす必要があり,このような機能をロボット自身の内部設計のみで実現しなければならない.
 そこで,本特集ではいくつかの典型的なロボットの作業環境をテーマに,それぞれの場合における作業環境に対しての捉え方や,実際のロボットの開発事例などを解説していただくことにした.解説の構成としては,作業環境に手を加えることができない場合から,環境に手を加えることはできなくてもその状態をある程度まで把握できる場合,そして作業環境の設計が許されロボットの内部設計と環境設計によってロボットの作業の効率化を目指すことのできる場合,という順序に配置した.(「特集について」より抜粋)