![]() JRSJ Vol.17, No.6 |
Vol.17,
No.6 「ソフトロボティクス」
1980年代以降,研究者はロボットの革新的応用例を探し求め,特に非製造業分野への応用について研究を続けてきた.サービスロボット,レスキューロポット,エンタティメントロボット等に対する期待が高まっているが,ブレークスルーはまだ起きていない.非製造業分野への応用で,ロボットは,非構造環境,すなわち,衝突等の外乱が生じやすい厳しい環境で働く必要がある.したがって,ロボットの制御系は,激しい外乱を受け入れつつ,幅広いロバストネス性を持つシステムとして,設計されなければならない.また,上述の革新的応用例では,人間との直接的接触を伴うタスクが大きな意味を持ち,そこでは,「安全性」が非常に重要になってくる.計算機の機能向上および制御理論の進歩に伴い,最近,この間題に対する楽観的な見方が散見されるが,現在使われている産業用ロボットの剛性,重量を前提とする限り,制御系のみによりこの問題を解決することは,非常に難しいものと思われる.ところで,「外乱の受け入れ」ならびに「安全性」は,受動的に実現可能である.すなわち,ばねなどのソフトな要素をロボットの機構に組み込むことにより,これらを実現することができる.もちろん,メカニカルなコンプライアンスを持つロボット,特にフレキシブルリンクロボットは,数十年前に生まれている.しかし,これは主にロボットの軽量化,大型化へのニーズに応える形で生まれたものであり,その時点では,「外乱の受け入れ」ならびに「安全性」についての考えは,特に入っていなかった. |