JRSJ Vol.17, No.8

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SICE Vol.38, No.11

Vol.17, No.8 

 「ETS-VIIにおける宇宙ロボット実験」

計測自動制御学会との共同特集)

 ETS−VIIは,1997年11月28日に宇宙開発事業団(NASDA)のH−IIロケットにより打ち上げられ,1999年5月末までの当初の実験運用期間の間に2回のランデブ・ドッキング実験,および数多くのロボット実験が行われた.その後も実験運用は継続されており,大学からの公募実験を含めて,1999年11月まで追加の実験が行われている.
 ETS−VIIはいくつかの点で世界的にみても画期的な衛星である.それは,(1)無人の人工衛星同士による全自動のランデブドッキングを行ったこと,(2)世界で初めてのロボットアームを搭載した人工衛星であること,(3)スペースシャトル搭載マニピュレータ等これまでに打ち上げられた,どの宇宙ロボットよりも長期間に渡って宇宙空間で使われていること,(4)これまでいろいろと研究されてきた宇宙ロボットのダイナミクスやロボットアームの力覚御技術・遠隔制御技術を検証し,実用的に使用したことなどである.また,冒頭に紹介したARAMISレポートにうたわれながらも,米国ではほとんど中断されてしまった軌道上サービスロボットを具現し,そこで必要となる数々の技術実証を行ったという点においても,特筆されるべきであろう.地道な努力の結果として,我が国は,軌道上ロボテイクスにおいて世界をリードするところまで至ったのである.
 このようにETS−VIIは我が国の宇宙開発においても,また工学的にも画期的な衛星であることから,その成果を学会誌の場を借りて紹介させていただくこととなった.宇宙ロボットに関してはこれまでにも何回か本学会誌,および他の学会誌で取り上げられているが,いずれも各学会で準自に企画されていたため内容が重複していることも多かった.今回の企画では,取り上げるべき技術範囲が広範であり,かつ内容的にも高度であるため,同じような企画を計画した計測自動制御学会と協議のうえ,日本ロボット学会ではETS−VIIのロボット実験を中心に取り上げ,計測自動制御学会はランデブ・ドッキング実験を中心に取り上げることとし,重複した内容になることを避けた.しかしながら,一方のみの学会にしか所属していない人も少なくないことを考慮して,どちらかの学会誌のみでもETS−VIIの実験成果を含む全体概要は理解できるように構成を考慮した.(「特集について」より抜粋)