JRSJ Vol.18, No.1
Vol.18, No.1  「21世紀の医療とロボティクス」

 21世紀の科学技術の進展を考えるとき,情報・通信分野,医療・福祉分野,バイオ・生命分野が伸びることは間違いない.米国では2020年の製造業のビジョンが議論され,その報告書では七つの主要分野が取り上げられている.それらは航空機,バイオテクノロジー,新素材,マイクロエレクトロニクス,コンピュータおよびソフトウェア,電気通信,ロボットと工作機械である.一方,日本政府もバイオテクノロジー,情報通信,機械,化学,エネルギー,医療・福祉,材料,環境等を中心に科学技術の強化を進めようとしている.これらの議論のなかで米国優位のものが多いが,かろうじてロボットと工作機械については日本優位となっている.しかしながら,これらの分野でも米国の復活の兆しがある.
 21世紀には日本は超高齢化社会を迎える.そのとき医療・福祉分野を充実させた体制を整えることは必要不可欠である.そこでは我が国が得意とするロボティクス技術をもって医療・福祉分野に貢献することが期待されている.しかし,ロボットがまずあって,これをただ単に医療分野に適用すればすむというものではない.医療分野のニーズをしっかり理解したうえで医師や患者が必要としている装置やシステムを開発するという態度・姿勢を忘れてはいけない.皆の大いなる努力によってロボティック医療が進展し,社会に役立つことを切望してやまない.(「特集について」より抜粋)