
JRSJ Vol.18, No.4 |
Vol.18,
No.4 「産業用ロボットの昨日,今日,明日」
技術立国と称される工業国日本において,高度成長期の終焉,そして1980年代の円高不況は産業にとって大きなダメージとなるはずだった.しかし,1980年に入ってから産業用ロボットの生産台数は一気に上昇し,低コストで高品質な数々の製品を生み出す原動力となっていた.その10年で日本国内で稼働する産業用ロボットの世界に占める割合は60%にまで達し,生産台数も9割を占めるほど圧倒的なシェアを確保するに至った.
その後,1990年に入ってからはバブル経済崩壊に伴う設備投資の縮小に見舞われ,生産台数が一時的に減少するものの,国内でのロボット稼働台数は増加の一途をたどっている.それまでのロボットはプレイバック方式の単純作業が用途の中心であったが,1980年代後半から1990年代にかけては,高機能化,知能化などの高度化が図られいっそうの発展を遂げた.
産業用ロボットの開発は,社会や経済を背景とした時代の要請を受けとめつつ,時代をリードしながら発展してきた.産業用ロボットの発展は経済状況や社会背景と切り離すことのできない強い関係で結ばれており,両者の将来は互いに相まって伸展していくものと考えられる.今回はその先鞭として期待される技術のいくつかを特集した.
本特集は3部構成からなっている.21世紀を間近に迎える今日,これまでの産業用ロボットの研究,開発がたどった道のりを総括し,将来を展望することをねらいとしている.とりわけ,1990年代に遂げた発展を軸に,研究開発プロジェクトおよび製品開発についてを解説していただいている.
(「特集について」より抜粋) |