
JRSJ Vol.18, No.7 |
Vol.18,
No.7 「屋外で活躍するロボット」
「屋外で活躍するロボット」というものは,工場内等で盛んに導入されているいわゆる「産業用ロボット」に比べ未だ非常に少ない.思うに屋外環境での実用化を指向した研究・開発事例はバブル期以前に比べ少なくなっているかのようである.当時はそういったロボットにとってバラ色の未来がすぐにでもやって来るかのような雰囲気があったが,やってみるととても難しく,開発に多くの予算がかかる割に役に立つ=実用レベルの敷居が高かったのである.
技術的に見て屋外作業のロボット化は,天候,明るさ,泥,挨,水や熱等の環境の変化があって非常に難しく,実用化成功例(屋外環境での使用に耐える十分な信頼性・耐久性を備え,かつコスト面等でも妥当なもの)は少ない.
それ故,最近多くのメーカ等で(特に屋外用で)ロボットは儲からないとか割に合わないと言われる.また,産業用ロボットと同様に自動化・無人化を目指してきたが,結局人間の労力の方がコスト面等で効率がいい場合が多く,残念ながらそれらロボットの実用化研究は更に停滞気味となってしまった.さらに最近の研究・開発の傾向は理論解析,シミュレーション等に比重が移り,「屋外で活躍する」ような泥臭い実用ロボットとしてのハードウェアの開発自体は減っているようである.これからは理論解析もそういった泥臭いハードウェアの開発もバランス良く進めて行かなければならない.
本特集「屋外で活躍するロボット」は外乱の少ない研究室内や工場内と比べて「過酷で泥臭い」な屋外環境で活躍する(実用化されている)ロボットの開発の現状を知ってもらうことを目指した.しかし現実に実用化されているものはやはり少ない.そこで上記実用化成功例レベルを完全に満足してはいなくても(主にコスト面であるが),それに最も近いと思われる範囲にも拡大して事例を紹介した.そのようなロボットの存在をベースに早く商業ベースに乗るような実用ロボットが多く出現し,また研究・開発もそのような実践的指向のものが増えることを期待して止まない.また,今はコスト云々で実現が難しいが,それを度外視してもロボットにしかできない,あるいは効率がいい分野も多い.更にロボットの関連要素技術は底辺が非常に広く,それら多くが相互に関連して進歩すれば,総合的に見て,実用化開発にとって急速に有利になるであろう.[後略]
(「特集について」より抜粋)
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