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Vol.21, No.7
次世代アクチュエ−タ
アクチュエータはロボットを支える柱の一つである.極論すれば,制御 技術やメカトロニクス技術と並び,アクチュエータ技術の進歩がロボッ トの進歩を支えてきたといっても過言ではない.しかし,「筋肉のよう なアクチュエータがあれば!」というロボット技術者による異口同音の 期待にもかかわらず,なかなか革新的なアクチュエータ技術が実用化さ れないことも事実である.そうはいっても,最近,高分子アクチュエー タの実用化や,従来のモータの高性能化も少しずつ進んでおり,目が離 せない.このような背景の下,日本ロボット学会誌でも,6,7年おきに アクチユエータに関する特集が組まれてきた.1984年「ロボットアクチュ エータ(2巻4号)」,1991年「アクチュエータと機構制御(9巻4号)」, 1997年「ニューアクチュエータ(15巻3号)」である.また,実用化さ れたアクチュエータについては,2003年「気になるコンポーネント(21 巻1号)」の中でホットな話題が紹介されている.本特集では,「ニュー アクチュエータ」以来6年ぶりに,今後のアクチュエータ技術の方向性 を占う新技術について,各界の最先端技術を紹介いただいた. 展望では,まず,樋口俊郎氏(東大)に,「次世代ニューアクチュエー タの展望」と題し,新しいアクチュエータの開発動向および将来の研究 開発の方向性についての展望をご執筆いただいた.また,横田眞一氏 (東工大)には,マイクロアクチュエータにフォーカスを絞り,「次世 代マイクロアクチュエータの展望」と題して,マイクロアクチュエータ のニーズ・シーズや利点・欠点について解説いただいた. 鈴森康一氏(岡山大)には,これまでに鈴森氏が開発された様々なアク チュエータを中心に,小型ロボット用アクチュエータの開発状況と展望 について解説いただいた. 安積欣志氏(産総研)には,最近注目を集めている高分子アクチュエー タの基本構成,原理,作製・加工法,応用と展望について解説いただい た. 大武美保子氏(東大)には,トポロジカルゲル,筋肉タンパクゲル,自 励振動ゲル,ゲルロボットを中心に,高分子ゲルアクチュエータについ て解説いただいた. 横田眞一氏と吉田和弘氏(東工大)には,電気粘性流体,磁気粘性流体, 電界共役流体の原理と,これらを応用した機能性流体アクチュエータに ついて解説いただいた. 則次俊郎氏(岡山大)には,空気圧ソフトアクチュエータの原理と,こ れを利用した管内移動ロボット,人間親和型ソフトメカニズム,ウェア ラブルロボットなどへの適用例について解説いただいた. 山本晃生氏(東大)には,マイクロ静電アクチュエータから高出力静電 アクチュエータに至る各種静電アクチュエータの原理,構造,応用例に ついて解説いただいた. 中田毅氏と柴田優氏(東京電機大)には,圧電アクチュエータと光アク チュエータについて,原理,構造,応用例を解説いただいた. 黒澤実 氏(東工大)には,従来の超音波モータよりも高周波かつ高精度な,と いった特徴をもつ弾性表面波リニアモータの原理,特性,特徴について 解説いただいた. 矢野智昭氏(産総研)と私(前野隆司,慶応大)は,球面電磁モータ, 球面超音波モータを中心に,多自由度アクチュエータの最近の研究動向 および原理と特徴について解説を行った. 百日鬼英雄氏(オリエンタルモータ)には,ACサーボモータの小型・高 出力化,リラクタンストルク応用モータの高性能化およびハイブリッド ステッピングモータやDCモータの超小型化など,電磁モータの最新動向 について解説いただいた. 服部正氏(姫路工大)には,次世代マイクロアクチュエータの加工法と 題し,シリコン加工プロセスにおける高アスベタト比加工,放射光によ るLIGAプロセス,SU−8におけるLIGAライクプロセスなど,超微細三次 元加工技術の現状と将来展開について解説いただいた. 白石昌武氏(茨城大)にはアクチュエータ系のロバスト制御の代表的な 方法である,2自由度制御,ロバストオブザーバ,インテリジェント制 御,予見学習制御について解説いただいた. 大岡昌博氏(名大)には触覚ディスプレイの専門家の立場から,触覚ディ スプレイの分類と,触覚ディスプレイのための様々なアクチュエータ, すなわち,油空庄アクチュエータ,電動モータ,庄電アクチュエータ, ケミカルアクチュエータ,MEMS利用アクチュエータ,電磁クラッチにつ いて解説いただいた. 以上,各界の専門家の方々に,現在期待されている様々なアクチュエー タの現状とロボット等への適用事例についてご紹介いただいた.次世代 アクチュエータ技術の全貌が理解いただけたのではないかと期待してい る.
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