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Vol.22, No.1
HRPの成果と人間型ロボットの今後の展開
本特集は,経済産業省/新エネルギー産業技術総合開発機構が平成10年度から5年間実施した「人間協調・共存型ロボットシステム研究開発(HRP)」が昨年3月に終了したのを受けて,その成果の紹介および今後を展望するために企画した.HRPの成果は,人間型ロボットの研究開発プラットフォームを開発できたことと,人間型ロボットの応用可能性を示せたことの2点に集約することができる. 人間型ロボットの研究開発プラットフォームは,人間型ロボットハードウェア,遠隔操作装置,ソフトウェアプラットフォームから構成される.人間型ロボットハードウェアに関しては,富士通(株)が正RP前期にシミュレータの検証用に開発したロボットをプロトタイブとしてHOAPシリーズを開発して事業化し,川田工業(株)がHRP後期に開発したHRP-2を学術研究機関向けに事業化した.遠隔操作装置については,川崎重工(株)がHRP後期に開発した可搬型マスターアームをプロトタイプとして事業化を進めている.ソフトウェアプラットフォームに関しては,独立行政法人産業技術総合研究所が開発したOpenHRPのシミュレータ部を非商用利用に限定して無償で公開し,合わせて制御ソフトウェア部に関しては新たに設立した産総研ベンチャー企業であるゼネラルロボティックス(株)がHRP-2ユーザ向けに事業化を行った.これらの事業化について,本特集で事例紹介を行う. 人間型ロボットの応用に関しては,HRPのプロジェクトリーダであった井上博允氏(東京大学)に展望していただいた.我が国の社会状況の変化,有望なアプリケーション,ロボット産業の構造変化,想定されるビジネスモデル等,多角的な視点から将来の展望を述べられている.また,筆者は,5年後,10年後程度の近東来の人間型ロボットの応用について,予測と希望を交えて展望を試みた.人間型ロボット関連技術は現在我が国が世界のトップを走っている(歩いている?)が,大規模な研究開発投資を続けるためには早期に応用を見出すことが必要であるという危機感が背景にある. 以上の展望・解説・事例紹介に加えて,HRPの成果を発表する学術・技術論文4本を本特集号に掲載することができた.これらの論文は,主としてプラットフォーム技術の開発に関する成果である.残念ながら査読が本特集号の前に完了しなかった投稿論文が他にも幾つかある.近日中に,本学会誌に掲載されることを祈っている.
HRPは,その成果の一部が前述の様に事業化されたこと,国内外から大きな反響を得たことを評価していただければ,参加者の一人として有難く思う.HRPの成果を活かして,人間型ロボットの応用が近未来に実現することを切に願っている.
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