JRSJ Vol.22, No.8 |
Vol.22,
No.8 ロボットデザイン
今回は,ロボットのデザインに焦点をあてた特集をお送りします. 今日数多くのロボットが,様々な形で具現化・商品化され,家庭やオフィスをはじめとする多様な生活空間への進出を果たしつつあります.それに伴う一般生活者のロボットに対する関心も相当高いレベルを維持しているようです.特にロボットの「姿かたち」「立ち居振る舞い」「印象」といったデザインの要素は,ロボット開発に直接携わる者以外にとって,非常に重要なロボットとの「接点」であり,具体的な関心の対象として,ロボットの価値・魅力・評価に直結する要素であるといっても過言ではないかもしれません. しかしながら,ロボットについて語られる場合,多くはその性能や関連技術,あるいはビジネスモデルやサービスといった部分についてであり,デザインについて論じられる機会は限られていたように思います. また,他の成熟段階にある工業製品に比べ,ロボットはその新規性および汎用性・多様性の高さゆえに,デザインの定義づけ・分類・デザインプロセス等が未確立のまま,半ばなし崩し的に今日に至っています(そういった『定義づけ』が本当に必要なのか? といった議論すら,きちんとなされていないように思われます).その結果,不適当な価値基準でデザインを評価され,不当に低い評価を下されてしまう例も少なくないようです.例えば,AV機器の価値基準で玩具を評価したり,通信端末を娯楽機器の価値基準で判断してしまったりというようなことが,現実に発生しているのです. 今後ロボットが産業として発展するということは,一般生活者との接点が拡大するということであり,そのとき「デザイン」が人とロボットのかかわりのポイントの一つとして非常に重要な役割を担うことは碓実と思われます.そこで,より多くのロボット関係者にロボットのデザインについて関心を持っていただくとともに,ロボットの研究・開発を,より広範囲の人達に理解・評価してもらう取っ掛かりとして,デザインに注目してもらうということを目的として,今回の特集を企画しました. ただ,ここで第三者が「デザイン評論」的にロボットデザインを語ったのでは,上記の課題に対する不安がどうしても払拭しきれません.そこで今回は,実際に世に出たロボットのデザインをご担当されたデザイナー諸氏に,ご自身がデザインされたロボットそのものについて解説していただくというかたちをとりました.当事者に語っていただくことで,よりリアルでエキサイティングなロボットデザインの現場について知っていただけるのではないかと思います. また,そもそもデザインというものがどのようなプロセスで進んでいくのか? あのロボットのあの部分はなぜあんなカタチをしているのか? デザイナーっていう人たちはどんなコトを考えているのか? 等々…といった疑問にも多少なりともお答えできる内容になっているのではないかと思います. さらに今回はデザイン特集ということで,特別にカラーページを増設させていただきました.普段日にすることのない費重な画像も提供していただいています.いつもとひ と味違うロボット学会誌をお楽しみいただくとともに,今回の特娘を通じてより多くの方にロボットのデザインについて関心を持っていただき,今後デザイナーがロボットの開発に,より多く・深くかかわっていくきっかけになることを期待しています. (「特集について」より)
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