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Vol.23, No.5
「世界のロボットプロジェクトとプロジェクト投資戦略」特集について
日本ロボット工業会の調査によれば,日本は産業用ロボ ットの保有台数,生産台数において世界1位であるにもか かわらず,ロボット産業としてはここ10年ほど約5,000億 円/年でほぼ一定で推移しており,伸び悩んでいると言っ ても過言ではない.そもそも,産業用ロボットの定義は不 明確で,ロボットと呼ぶべきものでありながらそこに含ま れていないものも多い.また,ロボット技術は,産業用ロ ボット以外にも,様々な産業に対して大きな貢献を果たし ているにもかかわらず,それらの効果はこの数字には表れ てこない.すなわち,この数字が日本のロボット技術の産 業への貢献度を的確に表しているとは言い切れない.しか し,ロボット研究が非常に活発に行われている一方で,そ れらが実用化され,産業として有効に活かされているかと いうことに関しては,否定的な見方をしている人は少なく ない. ニーズはある.マーケットもある.日本ロボット工業会
2000年度ロボット技術戦略報告書によれば,製造業分野
(2010年:8,500億円,2025年:1.4兆円),バイオ産業な
ど(2010年:900億円,2025年:3,600億円),公共分野
(2010年:2,900億円,2025年:9,900億円),医療福祉分
野(2010年:2,600億円,2025年:1.1兆円),生活分野 これまでに,様々なロボット関連プロジェクトが実施さ れたが,それらが日本のロボット産業にどのように貢献し たかは,明らかではない.経済産業省は,ロボット産業の 活性化を図るべく,新産業創造戦略の重点分野にロボット を挙げ,ロボット技術関連のプロジェクトの推進を積極的 に行っている.現在,経済産業省以外にも,国内のロボッ ト関連のプロジェクトは,文部科学省,総務省,国土交通 省,消防庁,防衛庁など,多くの省庁で実施されている. しかし,これらのプロジェクトは基本的に縦割りで,省庁 間で密な連携が取られているとは言いがたい. これまでのロボット関連プロジェクトは,新しい技術開
発を中心に実施されてきたが,それらの成果をどのように
利用できるようにしていくのか,実用化していくか,市場
に展開するかなどについては,ただ民間に任せればよいと
いう安易な考え方があったのかもしれない.いい技術を開発しさえすれば,使われる,売れる,市場が開ける,産業 そのような背景のもと,2004年10月1日に,IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems(IROS'04)において,科学技術振興機構の支援を得て,JST Workshop on Robotics Projects and Future Funding Strategyが開催された.その目的は,国はどのような戦略で,このロボット技術に投資をしていけば,ロボット産業育成にもっとも効果があるかを調査することである.国内外でロボット関連プロジェクトを実施しているリーダを招き,どのようなプロジェクトが実施されているかを講演していただきながら,将来のロボットプロジェクトの投資戦略についての議論を行った.ワークショップは密度が濃く,議論は大変有意義なものであった.そこで,この誌面を借りてその内容を再度まとめなおすことにさせていただいた. 本特集号では,このワークショップを主催していただいた科学技術振興機構の石正 茂氏,生駒俊明氏に冒頭の展望記事を書いていただき,スピーカやパネラを務められた国内外のプロジェクトリーダの方にプロジェクトの内容紹介などについてご執筆いただいた.また,2005年1月から経済産業省産業機械課が主体となってロボット政策研究会 本特集号で取り上げさせていただいたプロジェクトは,もちろんこれまでに実施された,あるいは現在行われているロボット関係のプロジェクトのごく一部でしかない.しかし,これらの例において,国内外でどのようなプロジェクトがどのような戦略のもとに実施されているかを知ると 最後に,原稿をご執筆いただいた方々に,この場を借り
(「特集について」より)
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