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Vol.27, No.10
「戦略的先端ロボット要素技術開発」
新しい技術分野の研究開発には,技術的に一つの組織だけで取り組む ことが難しいテーマや資金的なリスクを伴うため実施が難しいテーマがある. そのようなテーマの研究開発が我が国の技術や産業育成に大きく係わるような 場合に,国が援助して研究開発を促進する仕組みが,所謂,国家プロジェクト (国プロ)である.比較的新しい技術に位置付けられるロボット技術の 研究開発を支援する国プロもこれまでに多く実施されており,それぞれが多くの 成果を挙げてきた.本学会誌の特集では,横会があるごとに,それらの 最終成果あるいは中間成果を紹介してきた.例えば,「極限作業ロボット プロジェクト」(Vol.9,No.5),「重点領域研究『知能ロボット』」 (Vol.16,No.5),「HRP:『人間協調・共存型ロボットシステム』プロジェクト」 (Vol.19,No.1),「HRPの成果と人間型ロボットの今後の展開」 (Vol.22,No.1)や「大都市大震災軽減化特別プロジェクト―レスキュー ロポット等次世代防災基盤技術の開発―」(Vol.22,No.5)等である.これらの 特集と同様に国プロの成果を紹介することを目指して,現在も研究開発が 進められている「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト(新エネルギー・ 産業技術総合開発機構)」の成果を紹介する特集を今回企画した. 戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト(以下,戦略先端プロと略す) は,2006(平成18)年度から5ヶ年で実施されている国プロであるが,これまでの 国プロと異なる2つの仕組みが取り入れられている.一つは「ステージゲート制」 の導入,もう一つは「ミッション指向型」の研究開発目標の設定である. 本特集では,まずこの仕組みが取り入れられた経緯を含めたプロジェクト全体の 解説を,プロジェクトリーダを務められている平井成興氏(千葉工大)にお願い した.それに続いて,戦略先端プロで実施されている下記の3分野7テーマに 関する研究開発に関する成果の紹介を,各テーマの研究開発を実施されている 18組織の代表者の方々にお願いした(テーマ名の後ろの括弧内の数字は,研究 実施組織数). 1)次世代産業用ロボット分野 ① 柔軟物も取り扱える生産用ロボットシステム(3) ② 人間・ロボット協調型セル生産組立システム(2) 2)サービスロボット分野 ① 片付け作業用マニピュレーションRTシステム(2) ② 高齢者対応コミュニケーションRTシステム(3) ③ ロボット搬送システム(3) 3)特殊環境用ロボット分野 ① 被災建造物内移動RTシステム(3) ② 建設系産業廃乗物処理RTシステム(2) 戦略先端プロで取り入れられている「ステージゲート制」に伴う研究開発 成果の評価が昨年度末に実施されており,解説を依頼した時期には,当初18あった 研究実施組織のうち,プロジェクト後半(2年間)も引き続き研究を実施する 組織は6組織に絞られていた.このため特集のうち6記事が中間成果の解説であり, 他は成果の解説となっている.誌面の都合もあり,全ての解説に同じ誌面を 割りあてることができず概要のみをお願いせざるをえなかったことが残念で あったが,それぞれに素晴らしい成果を紹介していただいているので,各解説 が皆様の研究開発の一助になるものと思う.また来年度(平成22年度)は, 戦略先端プロの最終年度であり,後半も研究開発を実施されている組織には, プロジェクト終了後に最終成果を本学会誌で紹介していただければと期待する. 最後に本特集の趣旨にご賛同いただき,解説を執筆いただいた皆様方,また, 執筆依頼等にご協力をいただいた新エネルギー・産業技術総合開発機構・機械 システム技術開発部の方々に心よりお礼を申し上げる. (横山和彦 安川電機) |