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学会案内

会長挨拶

日本ロボット学会会長就任挨拶


一般社団法人日本ロボット学会
会長 澤俊裕 ((株)安川電機)
(2017・2018年度)


 日本ロボット学会は学問領域の進展を目指し、研究発表と技術交流の場を専門家に提供することを目的に1983年創立され、以来36年ロボットに関わる研究者・技術者を軸に会員は4000名を超え、協創の場として発展してきました。私は高西前会長の進められた「産学連携の強化」「国際発信力の強化」「工学教育への貢献」を引き継ぎ、さらなる日本ロボット学会の発展に尽力して参る所存です。

 ここ数年ロボットには追い風が吹いています。政府が2015年1月に公表した「ロボット新戦略」では、2020年に製造分野で使用されるロボットの市場規模を2倍の1.2兆円、サービスを中心とする非製造分野で使用されるロボットの市場規模を20倍の1.2兆円という目標を明確にしました。

 市場拡大のために製造分野(ものづくり分野)では、今まで自動車産業を中心に高い生産性と品質を実現するために、溶接・塗装・シーリング・プレス間搬送などに産業用ロボットが活用されてきました。これからは生産人口減少に対応すべく、電機産業、三品(食品・化粧品・医薬品)産業などにもさまざまな産業用ロボットが使用されるようになります。その一つの取り組みとして「人協働ロボット」があり、安心安全な活用を進め、さらに新たな技術が必要とされます。医薬品産業では創薬基礎研究のための生命科学実験にロボットを活用し、高い精度の実験、ばらつきの少ない実験を可能にするなどロボットの特徴が活かされています。

 非製造分野の介護・医療分野では、リハビリ用装着型ロボットや移乗用ロボットが病院や介護施設の現場で活用されるようになってきました。また医療用サービスロボットでは認知症の進行抑制が期待されているコミニュケーションロボットの普及が始まりました。装着型ロボットはバックヤードの荷物の積み下ろしにも転用され、サービス分野における生産人口減少対策として貢献するでしょう。

 インフラ、災害対応分野では、調査・測量・点検から情報化施工技術に向け「i-Construction」の取り組みが始まり、ドローンや建設ロボットなどの活躍が期待されています。また自然災害の多い我が国では災害対応に資するロボットもリスクマネジメントとして公的機関で配備が進められます。

 農業分野では、2016年度の「ロボット大賞」を受賞したイチゴ収穫ロボットが、人の代替にとどまらず、収穫したイチゴの実を人の手に触れることなく消費者まで届けられるビジネスモデルを目指しています。ロボットの活用で完熟イチゴを遠方まで届けることができるようになり、新たな付加価値を生む可能性を秘めています。このほかにもトマトやレタスなどの収穫にもロボットの活用が始まっていますし、農地では自動運転トラクターやドローンの活用とそのための新たな人材育成が期待されています。

 今後、少子高齢化、自然災害など課題先進国である我が国は、ロボット利活用のニーズは十分存在します。既存技術の転用のみで達成することは不可能であり、ニーズをしっかり捉える観察力とソリューションを産み出す新たな技術、既存技術+1(プラスワン)が必要です。この課題解決は研究者・技術者に新しいモノを産み出す機会を与えることになります。ロボットはシステムであり社会に役立つものでなければなりません。IoTやAI(人工知能)と言った新技術が製造分野でも非製造分野でもロボット-機器間のネットワークを構築し、新たな商品・サービスを提供して、よりよい社会を築いていくはずです。

 これらのロボットには、材料・機構・駆動・センシング・知能・ネットワークなどの要素技術と、必要とされる市場に合った応用技術が必要であり、一つ欠けても役立つロボットになりません。そのためにはIoT、AIを装備したロボット以上に研究者・技術者のネットワーク、コミュニケーションが重要であり、その新技術を議論する場が「日本ロボット学会」です。学問と現場をつなぎ、研究者・技術者をつなぐ場の役割も学会にはあると考えています。学会が何かをしてくれるのではなく、会員各位が日本ロボット学会を作り上げ、自らこの「場」で何ができるか、どのように活用するか是非考え、創造する研究者・技術者の研鑽の場として活用して下さい。そして課題先進国日本のソリューションを世界に発信することが望まれます。

 日本の先端技術の一つである「ロボット」を更に強くし、必要とされる「日本ロボット学会」を目指しましょう。


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