講演内容:
|
10:00-10:05
|
<開会挨拶・講師紹介>
|
第1話「ビジョンを使う前に考えよう〜コンピュータビジョンの問題・歴史・実際〜」
|
10:05-11:35
|
埼玉大学 久野 義徳
|
|
昔,画像処理の大家から画像が利用できそうな応用を考えるとき,まず,画像を使わないでできないかを検討するのが重要だと諭された.しかし,画像関連技術の進歩により,画像処理・コンピュータビジョンの利用を積極的に考えてよい時代になってきている.最近は,各種のライブラリなどからブラックボックス的にビジョンを利用することができるようになってきている.これは非常に好ましいことではあるが,実際に動くものを作るためには,やはり,ビジョンの本質的な問題を知っておく必要がある.そこで,本講演では,3次元世界を視覚で認識する際の問題点をまとめて議論する.そして,コンピュータビジョンの研究の歴史を,それらの問題の解決の点から述べる.最後に,応用の実例として講演者のグループで研究中のビジョンを利用したヒューマンロボットインタラクションシステムを紹介し,実際にビジョンを使う際の検討事項や問題点などを述べる.
ヒューマンロボットインタラクションシステム
|
11:35-12:45
|
<休息(昼食)>
|
第2話「例題ではじめる部分空間法 〜パターン認識へのいざない〜」
|
12:45-14:45
|
東京農工大学 堀田 政二
|
|
部分空間法は文字認識装置や顔認識装置など,多くの応用実績を持つ実用的なパターン認識手法である.部分空間法は理論的に美しい背景を持つが,その圧倒的な魅力は簡単に使えて高精度にパターンを識別できる,というところにある.そこで,多くの方々に部分空間法の魅力を伝えることを目的に,わかりやすい理論の解説,および自由に編集できるプログラム(MATLAB/Octave)を使った実習を行う.本講演により,部分空間法をすぐに研究等に応用できるようになるので,是非この機会に部分空間法に触れていただきたい.
※本講演ではノートPCを持参していただき,予めダウンロードしたプログラムによる実習を予定しております.ノートPCは必須ではありませんが,持参いただいた方がより講演が役立つと考えます.なお,以下のURLに関連情報を掲載します(5月1日頃予定).
http://www.tuat.ac.jp/~s-hotta/RSJ2012/
部分空間法
|
14:45-15:00
|
<休息>
|
第3話「高フレームレートカメラによる画像センシング」
|
15:00-16:30
|
埼玉大学 小室 孝
|
|
高速度カメラの低価格化により,高フレームレート動画像が身近なものとなりつつある.また,高フレームレート動画像をリアルタイムにPCに転送することも可能となってきた.そこで,高フレームレート動画像を高速現象の観測や解析にとどまらず,センシング一般に利用することで,新しい応用の開拓が期待できる.高フレームレート動画像は,前フレームからの変化が少ないため,安定したトラッキングが実現できるという利点がある.また,高フレームレートカメラは,画像の読み出し時間や転送時間が通常のカメラより速く,撮像までの平均レイテンシも短くなることから,遅延の少ないシステムが構築可能である.
本講演では,高フレームレートカメラを用いた動画像処理について,技術導入のポイントや導入事例,実世界への適用・応用可能性などを解説し,誰でも気軽に高フレームレート動画像を利用できるようにすることを目的とする.
高フレームレート画像センシングの応用例
|
16:30-16:40
|
<休息>
|
第4話「実環境下におけるロバストかつ高速な人物画像認識・理解〜人物の検出・追跡からより深い行動理解まで〜」
|
16:40-18:10
|
慶應義塾大学 青木 義満
|
|
ロボットの活躍が求められるシーンが多様化する中,このような対環境に対する適応能力に加え,環境内で活動している人間を検知して状況や行動を認識する対人間の認識・理解能力は,人-ロボット-環境が真に調和し,察しの良い知的な情報環境を構築する上での重要な要素技術である.本講演では,ロボットや環境に埋め込まれた視覚センサの情報から,実環境中において人間を検出,追跡,認識するヒューマンセンシング技術について,ロボット応用上の課題と思われる"ロバスト性","実時間性","簡便性"に重点を置きながら,最近の動向とわかりやすい事例を交えて説明する.まず.人間の持つ共通の特徴と個性を,主成分分析等の統計的なモデリングによって事前知識表現し,画像認識に活用するシンプルな手法で,上記の課題を解決するアプローチを紹介する.更に,より深い人間理解のために注目を集めている,姿勢推定技術や人物行動認識技術について,単眼カメラ,マルチカメラや距離画像など,多様な入力に対する研究事例について解説する.
実環境における人物行動解析
人物行動に基づく空間・物体の理解
|
18:10-18:15
|
<閉会挨拶>
|