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学会誌

2013 Vol.31 No.10

「日本ロボット学会―日本SF作家クラブ 共同企画 ―ロボット工学とSF―」(2013年12月号)

目次

J-stageへのリンク(公開は発行1か月後)

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 日本ロボット学会誌初めてではないかと思われるSF小説が掲載された特集号をお届けします.本特集号は,2013年に創立50周年を迎えた日本SF作家クラブと2012年に創立30周年を迎えた日本ロボット学会の間で,何かコラボレーション企画ができないかというご提案から始まっています.様々な可能性を検討した結果,SF作家の皆様との対談の掲載(日本ロボット学会創立30周年記念特集号掲載「ロボットが社会に与える影響:SF的な考察」),および本特集号に掲載されておりますように,SF作家の視点からの研究室見学報告,および,その見学に基づいたSF小説の掲載と相成りました.

 本特集号は,前述のように記念すべき年に相互に盛り上げましょうというところからスタートしておりますが,その中身は,ロボットを含む先進的な技術が,将来,社会に与える影響を考えてみたいというココロがあります.単なる技術の紹介だけではなく,その技術の発展の経緯や,その社会背景,そして個々人に与える影響から社会全体に与える影響までをシミュレートする手段としてSF小説を掲載内容として選びました.

 一方,ロボット研究者は,将来,実現したい夢を持ちつつも,現実の制約の中で,もがきながら研究開発を行っています.しかし,日本国内では,鉄腕アトムやマジンガーZに始まり,近年ではガンダムに代表されるようなロボットのイメージが先行しており,技術的な裏付けのないままロボットの社会的イメージが確立してしまっております.そのため,ロボット研究者が開発した成果が社会の中で,どのように使われていくのか,どう受け入れられていくのかを見極めるのが困難です.本特集は,それを外部の方,SF作家という一般人ではあるが先進的な技術に対して理解があると思われる方々に見つめていただくことにしました.最終的に,イメージが先行している中での本当のロボット技術の社会への説明と,技術のもたらす社会への影響を探っていければと考えております.

 今回,特集号では,SF作家の皆様にロボット関連研究を行っている研究室の見学を行っていただき,それを題材に「作家視点による見学レポート」+「その研究室の研究関連キーワードを題材としたSF小説」を掲載致しました.3研究室の見学を行い,計6名のSF作家の方々にご協力をいただき,ご執筆をお願い致しました.見学先の研究室には,作家クラブ側から「ヒューマノイド」,「非ヒューマノイド」,「人間と共生するロボット」の異なる三つの視点からの見学先の選択をご提案いただきましたので,産業技術総合研究所のヒューマノイド研究グループ,中央大学中村研究室,大阪大学前田研究室をご推薦させていただきました.日本SF作家クラブからは,近年,注目を集めている若手の方や受賞作家の皆様を執筆者としてご推薦いただきました.作家といっても様々な背景をお持ちの方々です.しかし,皆様,最新技術には大変な興味をお持ちで,熱心に見学をされておりました.見学レポートでは,表現のプロの方々ですので,世間一般からのロボット研究の見え方を分かりやすく確認できるかと思います.また,SF小説は,各研究室で使われている技術,研究成果が社会に浸透したときに,どのような影響があるのかを垣間見させてくれると思います.双方の中身に関しては,ここでご紹介するよりも,直接,お読みいただくのがよろしいかと思いますので,この程度にしておきます.

 近年,日本のSF小説には,現実のロボットやロボット技術が登場するようになってきました.例えば,2足歩行の研究で著名なK氏が登場するSF小説がありますし,RTミドルウェアが使われているロボットが登場する小説もあります.鉄腕アトムではない,現実のロボット技術が社会に浸透してきている結果ではないかと感じております.小説ではない本当のロボットの姿が社会にしっかりと認知されたときに,どのように受け入れられるかは,私達ロボット研究者の成果次第です.今は,小説という形で夢を見させていただいておりますが,その夢を実現する責任は私どもにあります.ロボット技術のあるどのような社会を実現するか,皆様とともに考えていきたいと思います.

 最後になりましたが,見学を快く受け入れていただきました研究室の皆様方,どうもありがとうございました.また,本特集号の実現に日本SF作家クラブの方々に大変お世話になりました.ありがとうございました.

(琴坂信哉 埼玉大学)

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