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日本ロボット学会安心ロボティクス研究専門員会 開催のご案内

日本ロボット学会

会員皆様

下記の通り,日本ロボット学会安心ロボティクス研究専門員会を公開にて開催いたします.是非ご参加ください.

大阪大学

上出寛子

日時:12月1日(月)15:00~17:00

場所:大阪大学 豊中キャンパス 待兼山会館 2階 会議室

http://www.osaka-u.ac.jp/ja/academics/facilities/BandB/staff_facility/machikaneyama_facility

(阪大へのアクセスマップは http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/ )

スケジュール:

講演1:「日常生活の場で安心して関わりあえるロボットの実現に向けて」

塩見昌裕(ATR知能ロボティクス研究所,エージェントインタラクションデザイン

研究室,室長)

ロボットが活動する場所は日常社会へと移りつつあり,人がロボットと安心して

関わりあえるための研究開発の重要性が増しています.それに伴い,人間理解に

関する基礎研究と,工学的な技術開発の両面を併せ持つHuman-Robot

Interactionに関する研究が進んでいます.特に,人々が活動する実環境下で実

際にロボットが役割を持って活動するフィールド研究が盛んに行われており,ロ

ボットによる情報提供や道案内,チラシ配りや見守りといったサービスが実現さ

れてきました.近年では,病院や高齢者施設,自閉症児の学習支援といった分野

におけるロボットサービスの実用化も進んでいます.

 本発表では,講演者がこれまでに取り組んできたフィールド実験を通じて見出

してきた課題や,近年取り組み始めた保育支援に関する研究と共に,これまでの

Human-Robot Interactionに関する研究成果について紹介します.ロボットとい

う新しい技術やその役割に対する社会的受容性の調査から,ロボットが環境中に

設置されたセンサネットワークと連動して活動するための技術的フレームワーク

まで,ロボットの社会実装に向けて必要となる人間理解と技術開発に関する研究

を説明します.

講演2:「信頼性、安心、機械」

笠木雅史(京都大学文学研究科 学術振興会特別研究員(PD),大阪大学基礎工学

研究科 招へい准教授)

 人間相互が信頼(trust)しなければ社会生活が成立しない、つまり、信頼は社

会生活の基盤であるという理由で、信頼は様々な分野――哲学、心理学、社会学、

経済学など――で研究されてきました。また同時に、現在の人間の社会生活は機械

の使用なしには成立しないため、機械への信頼関係を扱うように、従来の研究を

拡張しようという試みも始まっています。

 本発表では、哲学を中心にこれらの分野の信頼研究を具体的に紹介しながら、

主に以下の2点について説明します。

(1)機械への信頼の研究の動機は、日本での安心な機械への研究の動機と極め

て類似している。つまり、安全(safety, reliability)と信頼性(安心性)は異

なり、むしろ機械を安全に運用するための条件が、その機械を信頼する(安心を

抱く)ことであるとした上で、信頼される機械を設計するための条件を研究する

動機が生じている。

(2)機械が信頼されうるのかどうかという問題は、現在のロボット倫理で議論

されている、「機械は道徳的な行為者(moral agent)でありうるのか」という問

題と密接に関係している。そのため、機械への信頼を研究することは、機械、ロ

ボットの道徳的身分(moral status)を研究することでもある。

■委員会へのご参加を希望される場合は,11月10(月)までにお名前とご所属をご記入

の上,以下の宛先までご連絡ください.

宛先: kamide@arai-lab.sys.es.osaka-u.ac.jp

■委員会幹事:上出寛子

HP: http://www-arailab.sys.es.osaka-u.ac.jp/anshin_robotics/