【オンライン開催】第161回 多様な駆動方式によるアクチュエータ技術の展開と応用
開催日 | 2025年10月28日(金)10:00~16:50 |
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開催地 | オンライン配信で実施いたします |
会場 アクセス | 配信システム:zoomを使用予定。 |
定員 | オンライン配信200名(定員になり次第締め切ります) |
参加費 (税込) | 参加費・システム手数料共に税込み価格です. 2025年度の賛助会員招待券・優待券(有効期限:2025/12/31)をご使用いただけます
団体視聴について ※受付方法等変更になりました |
主催 | 一般社団法人 日本ロボット学会 |
協賛 | 計測自動制御学会,産業技術連携推進会議 医療福祉技術分科会,システム制御情報学会,情報処理学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本感性工学会,日本機械学会,日本シミュレーション学会,日本神経回路学会,日本設計工学会,日本時計学会,日本人間工学会,日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット工業会,農業食料工学会,バイオメカニズム学会,農業情報学会(以上21団体予定) |
口 上:
スマートフォンやウェアラブルデバイスをはじめとする電子機器の小型化が進む中,それに伴いアクチュエータ技術の高度化が求められている.小型アクチュエータは精密な動作を実現するための重要な要素であり,その性能向上はデバイス全体の機能に大きく寄与する.本セミナーでは,電磁,静電,形状記憶効果,圧電,空気圧といった代表的な駆動原理を有する小型アクチュエータに加え,昆虫をアクチュエータとして利用するサイボーグロボットの技術についても取り上げ,各手法の動作原理,適用範囲,利点・欠点について紹介する.
オーガナイザー:出原 俊介(岡山大学)
講演内容:
10:00-10:10 <開会挨拶・講師紹介>
10:10-11:10 第1話 静電フィルムアクチュエータとその応用技術
東京大学 山本 晃生
フレキシブルプリント回路基板(FPC)に代表される薄型のフィルム状電極基板を用いることで,高推力の静電アクチュエータを実現できることが知られている.同アクチュエータは,薄く柔軟なフィルムを用いることでアクチュエータ全体に可撓性を持たせることができ一種のソフトアクチュエータ的な利用も期待できる他,透明フィルムを用いることで透明なアクチュエータも実現できるなど,他のアクチュエータには見られないユニークな特徴を有している.本講演では,基本的な原理や構造の解説に加えて,独自の特徴を活かす応用例としてロボット向け人工筋肉やインタラクションデバイスとしての活用の可能性について紹介する.さらに,本アクチュエータの制御技術やセンシング技術に関する研究事例を紹介するとともに,今後のさらなる性能向上に向けた展望を述べる.
11:10-11:20<休憩>
11:20-12:20 第2話 様々な素材と構造によるマイクロアクチュエータの開発とMEMSマイクロロボットへの適用
日本大学 内木場 文男
様々な形で電磁モータがアクチュエータとして普及している.ロボットのアクチュエータも事情は同じであり,リニアアクチュエータ,サーボモータなどには電磁モータが組み込まれる.しかしながら,電磁モータは巻線をなどの複雑な立体構造を取る必要があり,著しい小型化には難しい側面がある.電磁モータに匹敵するような超小型のアクチュエータとなると決め手を欠くが,変位を誘起する機能性素材の活用,また,従来の機械加工によらない超微細加工技術の適用が候補に挙がる.本講演では,圧電材料,磁性材料,形状記憶合金等の素材の機能を利用して開発したアクチュエータ,また,MEMS技術を導入して製作した静電アクチュエータ,エアタービンアクチュエータ等を解説する.加えて,これらのアクチュエータをmmサイズのマイクロロボットに実装した事例をいくつか示す.
12:20-13:20 <休憩(昼食)>
13:20-14:20 第3話 マイクロ電磁アクチュエータ
東京科学大学 進士 忠彦
電磁アクチュエータは,永久磁石,磁性コア,コイル,軸受・案内機構といった構成要素から成り立っている.これをミリメートル以下のスケールで実現するには,いくつかの技術的課題を克服する必要がある.具体的には,永久磁石の微細加工および微細着磁,微小コイルの製作,高精度な微小軸受・案内機構の構築などが挙げられる.本発表では,これらの課題に対する技術的取り組みとして,スパッタリングやパルスレーザーデポジション法による厚膜磁石の形成と微細加工,レーザ局所加熱による永久磁石の微細多極着磁,メッキとMEMS技術を用いた微小コイルの製作,Deep-RIE法によるシリコン製弾性案内機構の形成などについて紹介する.さらに,これらの技術を応用して開発を進めてきたスマートフォンカメラ向けの各種マイクロ電磁アクチュエータについても併せて紹介する.
14:20-14:30 <休憩>
14:30-15:30 第4話 空気圧ゴム人工筋の開発と人間支援機器への応用
岡山大学名誉教授 則次 俊郎
空気圧ゴム人工筋は人に優しいアクチュエータとして注目され,各種の人間支援機器への応用が進んでいる.本講演では,マッキベン型ゴム人工筋を基本として新規に開発した湾曲型ゴム人工筋などの構造や特性について解説する.続いて,マッキベン型人工筋を用いた身体装着型の立ち上がりや歩行支援装置の概要を示し,大学病院と連携した実証試験の様子を紹介する.また,湾曲型ゴム人工筋の応用として産学連携により商品化されたパワーアシストグローブについて説明する.これは手指の摘まみや握り動作を補助するものであり,福祉介護やリハビリ分野での応用が期待されている.さらに,バルーン型アクチュエータによる非装着型の介護用アクティブエアーパッドを紹介する.これにより身体の持ち上げ動作の支援が可能であり移乗や体位変換などの介護作業への応用が期待される.これに対する介護施設の評価に基づき,介護機器や介護ロボット開発における留意点について述べる.
15:30-15:40 <休憩>
15:40-16:40 第5話 サイボーグ昆虫:小さな生き物を動かす小さなシステム
南洋理工大学 佐藤 裕崇
サイボーグ昆虫は,生きた昆虫(プラットフォーム)と人工の機械・コンピューター(コントローラー)を融合させたものである.小型の無線搭載コンピューターを昆虫に装着し,このコンピューターが電気信号(刺激)を昆虫の神経筋肉系(脳,神経節,神経,筋肉)に送ることで,所望の動作や行動を誘発することができる.小型の移動体として,災害現場における救助や探索活動の支援への応用が期待されている.無線機能を内蔵したマイクロコントローラー(Texas Instruments製)と2つのジャンパーメスコネクタ(マイクロコントローラーのI/Oピンに接続)が,カスタム設計のプリント基板(PCB)に実装されている.これを「バックパック」(総質量約1.3 g)と呼び,昆虫の胸部に接着する.細い金属線電極をメスコネクタに挿入し,反対側の端を視葉(複眼の神経クラスター),飛翔筋,脚の筋肉に埋め込む.マイクロコントローラーは無線制御され,使用者の指示に従い,波形の電気刺激パルス列を指定された周波数で出力するよう設計されている.飛行の開始(離陸)は,視葉に複数のパルス入力を行うことで達成される.一方,飛行の停止(着陸)は,単一の長時間パルスを適用することで実現される.脳に複数のパルスを適用すると,昆虫の降下が誘発される.右のbasalar筋または左の翼折りたたみ筋に複数のパルスを適用すると左旋回が誘発され,逆に左のbasalar筋または右の翼折りたたみ筋に適用すると右旋回が誘発される.歩行パターンは,あらかじめ決められた順序で脚の筋肉を刺激することにより調整される.講演では,これらの飛行および歩行制御のデモ映像を披露する予定である.
16:40-16:50 <閉会挨拶>
参加申込方法
必ず参加申込みおよび参加費のお支払い方法のご案内ページをご確認の上,下記よりお申し込みください.
※運用方法の変更により(オンライン配信のタイムシフト配信(見逃し配信)の実施)、第132回セミナーより申込後のキャンセルは一切不可と致します。
本セミナーオンライン参加希望の場合,下記よりお申込み,参加費支払のお手続きをお願いします.
優待券(有料)をご利用の場合もこちらからお申込みください.
申込締切:10月 27日(月) 18:00.
オンライン配信の概要についてはオンライン配信のご案内をご参照ください.
※本セミナーは2025年度の賛助会員優待券(有効期限:2025/12/31)をご利用いただけます。
賛助会員招待券や学生の特別優待券等,無料参加券をご利用の場合は下記よりお申し込みください.
申込締切:10月 27日(月) 13:00.※本セミナーは2025年度の賛助会員招待券(有効期限:2025/12/31)をご利用いただけます。
セミナー参加に関する注意事項
- 会場,講師,日時等は都合により変更になる可能性がございますのでご了承下さい.最新の情報は学会ロボット工学セミナーHPに掲載されます.
- 台風等警報発令時のセミナー開催中止判断については「災害時における中止判断」のページをご確認ください.
- 当日,参加者の理解を深めるためテキストを配布致します.2020年度より電子データで配布となり,会場参加/オンライン参加ともにメールにて事前に配信を行います.また,テキストの後日販売は行いません.
- 参加者のセミナー会場内での撮影・録音行為は禁止させて頂きます。なお、撮影・録音を含む取材をご希望の場合は必ず事前に学会事務局までお問い合わせください。