CLOSE

第75回 ロボット工学セミナー 歩行の生理学/力学/制御理論と歩行支援ロボティクス

開催日2012年12月7日(金)
開催地中央大学 春日キャンパス 3号館3310講義室
セミナーレポートセミナーレポート

※12/4定員となりましたので受付を終了致します。

開催日:2012年12月7日(金)13:00~17:35(開場12:30)

開催地:中央大学 後楽園キャンパス3号館3階 3310号室(〒112-8551東京都文京区春日1-13-27)

レポートを公開致しました

会場アクセス:
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_korakuen_j.html
http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/campusmap/korakuen_j.html
東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅下車, 徒歩5分/都営三田線大江戸線 春日駅下車,徒歩7分/JR総武線 水道橋駅下車,徒歩15分

定 員:40名(定員になり次第締め切ります)

参加費:
当学会及び協賛学会の正会員/8,400円,会員外/12,600円,学生(会員,非会員を問わず)/4,200円,
当学会賛助会員 招待券ご利用/無料,優待券ご利用/4,200円,左記サービス券なし/12,600円

  • 賛助会員の皆様へ:上記の招待券(2枚/口)及び優待券(10枚/口)は,年頭に各賛助会員学会窓口様宛に配布させて頂いておりますので有効にご活用ください.
  • 課税について:当学会及び協賛学会の正会員,学生(会員,非会員を問わず)の場合の参加費は不課税,それ以外の場合の参加費は税込となりますのでご承知おき下さい.


口 上:
 歩行は,人にとって根源的な日常動作であり,科学,工学,医学,生理学など様々な分野で研究が行われてきました.近年,福祉やリハビリテーションへのロボティクスからの貢献に対する期待と注目が高まる中で,先端的な計測技術やロボット実装,シミュレーションにより,ヒト歩行の生理学的メカニズムや歩行そのものの理解が進み,同時に工学的応用,医療への展開が進行しています.本セミナーでは,関連する各分野の最前線でご活躍されている講師の方々よりご講演をいただきます.
オーガナイザー:門根 秀樹(筑波大学)


講演内容:

13:00-13:10 <開会挨拶・講師紹介>


13:10-14:00第1話 脳による歩行制御を考える
山口大学 森 大志
 歩行運動の中枢制御に関する研究は,これまで主に四足歩行動物を対象として実施され,その基本的実行系(歩行誘発や筋緊張制御)は脳幹・脊髄神経機構により発現していることが明らかになった.さらに,小脳が肢運動の位相制御すなわち協調運動制御に関与することや脊髄神経回路による律動的肢運動パターン生成に関する概念もその後提唱されてきた.一方,近年の飛躍的な技術進歩はヒトを実験対象とすることを可能とし,二足歩行運動が脳幹以外にも大脳皮質領域の機能を動員して実行されていることが示されている.本セミナーではこの一連の流れ,さらには我々の得た研究成果を紹介しながら,大脳皮質と歩行運動との関連を考察したい.


14:00-14:50第2話 サルの歩行から探るヒトの二足歩行の力学と制御
慶応義塾大学 荻原 直道
 ヒトは進化の過程において,常習的直立二足歩行という,他の霊長類とは大きく異なる特徴的な移動様式を獲得するに至った.したがって,ヒトの二足歩行の力学的特徴とその制御機構を明らかにするためには,ヒトの二足歩行をヒト以外の霊長類のそれと対比的に分析することが有効である.本講演では,我々のグループで進めてきた二足歩行訓練を受けたニホンザルの二足歩行の運動学的・生体力学的分析,およびその解剖学的精密筋骨格モデルに基づく順・逆動力学シミュレーションについて紹介する.サルの分析からヒトの二足歩行の力学と制御の特徴に迫ってみたい.


14:50-15:40第3話 ロボット工学に基づく二足歩行制御の構成論的理解
大阪大学 杉原 知道
 人の運動を,筋・骨格・脳神経等の身体構成要素の結合系がなす内界の力学ではなく,むしろ身体と外界がなす力学系の冗長性,劣駆動性,構造可変性等に着目し,そのような系がとる合目的的振る舞いととらえることで,運動制御系がもつべきメカニズムを数学的必然性に基づいて説明すること ができる.このような考え方は,ロボットを歩かせるための制御器設計問題へのアプローチとしてロボット工学では自然に行われている.一方,人の運動原理を理解するための糸口としては,必ずしも有効に採用されてはいないようである.本講演では,人の身体科学,運動制御を理解する上で基礎となる数理を説明し,講演者自身による最近の関連研究を紹介する.


15:40-16:30第4話 歩行支援ロボットを用いた脊髄損傷患者のニューロリハビリテーション
筑波大学 上林 清孝
 近年,神経疾患による運動機能障害者の歩行回復に向け,免荷式歩行トレーニングが行われている.これは動物実験による成果から発展したニューロリハビリテーションの代表例であるが,麻痺が強い場合にはセラピストが患者の脚を徒手的に動かす必要があるため,セラピストの身体的負荷が増大し,長時間の歩行訓練が困難となる.それら問題点を解決する目的で,装着型の歩行支援ロボットが開発されている.本講演ではこの免荷式歩行トレーニングの理論背景を紹介するとともに,歩行支援ロボットを用いることで明らかとなったヒト二足歩行の制御機構や脊髄損傷患者に対するリハビリテーション効果を神経生理学的な観点から説明する.


16:30-17:20第5話 ロボットスーツHALの臨床歩行支援
筑波大学 河本 浩明
 ロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)は,装着者の運動意思に応じたアシスト動作を実現することで,装着者の随意的運動を支援する人間・機械一体型ロボットであり,現在,数多くの病院や福祉施設で使用されている.これらの施設では,医師や療法士が協力してHALという全く新しい身体機能を支援するツールを駆使し,これまでにない歩行訓練方法の模索が始まっている.筑波大学附属病院を含む多施設の臨床研究報告から,HALによる歩行訓練を継続することで,運動機能障害を有する方々の歩行能力を改善することが分かってきた.本講演では,ロボットスーツHALの制御方法および動作原理の概要とともに、筑波大学附属病院との共同研究によって得られた最新の臨床研究成果を紹介する.


17:30-17:35<閉会挨拶>


>>お申込み方法はこちらをご確認ください<<


主 催:
一般社団法人 日本ロボット学会
協 賛(予定):
応用物理学会,計測自動制御学会,産業技術連携推進会議 医療福祉技術分科会,システム制御情報学会,情報処理学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本機械学会,日本シミュレーション学会,日本神経回路学会,日本設計工学会,日本時計学会,日本人間工学会,日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット工業会,農業機械学会,バイオメカニズム学会