第81回 人間の行動原理・判断能力に迫る感性ロボット最前線
開催日 | 2013年10月23日(水) |
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開催地 | 東京工業大学 大岡山キャンパス 蔵前会館1F ロイアルブルーホール |
セミナーレポート | セミナーレポート |
開催日:2013年10月23日 (水) 10:30~17:20(開場10:00)
開催地:東京工業大学 大岡山キャンパス 蔵前会館1F ロイアルブルーホール (東京都目黒区大岡山2-12-1)
レポートを公開致しました
会場アクセス:
http://www.somuka.titech.ac.jp/ttf/index.html
http://www.somuka.titech.ac.jp/ttf/access/index.html
最寄り駅:東京急行大井町線・目黒線 大岡山駅 下車徒歩1分
定 員:80名(定員になり次第締め切ります)
参加費:
当学会及び協賛学会の正会員/8,400円,会員外/12,600円,学生(会員,非会員を問わず)/4,200円,
当学会賛助会員 招待券ご利用/無料,優待券ご利用/4,200円,左記サービス券なし/12,600円
- 賛助会員の皆様へ:上記の招待券(2枚/口)及び優待券(10枚/口)は,年頭に各賛助会員学会窓口様宛に配布させて頂いておりますので有効にご活用ください.
- 課税について:当学会及び協賛学会の正会員,学生(会員,非会員を問わず)の場合の参加費は不課税,それ以外の場合の参加費は税込となりますのでご承知おき下さい.
口 上:
ディスプレイ、組み立て加工、医療機器をはじめとする機器開発の現場では、光学的な色や質感、外界物体との触感覚等、ヒトの五感に基く見た目の判断、微妙な感覚・動作を忠実に再現できる匠の技と感性を備えた新しいロボット開発のニーズが高まっています。本セミナーでは、定量化が難しい熟練者スキルや技能、視覚・行動のモデル化をはじめ、感性情報、画像センシング等を利用した最新の感性ロボット研究のアプローチをご紹介するとともに、産業界で実用化された具体的事例を、各界の先生方からご講演していただきます。
オーガナイザー:野崎 岳夫(NECグリーンプラットフォーム研究所)
講演内容:
10:30-10:40 <開会挨拶・講師紹介>
10:40-11:55 第1話 ロボットにおける疑似感性の研究
千葉工業大学 未来ロボティクス学科 教授 富山 健
私の研究分野は感性ロボティクスと名付けられており,私の主な研究テーマはロボットのための擬似感性である.パートナーの感情状態を同定する,ロボット自身の擬似感情を作る,そしてその擬似感情を仕事動作の中で表出する,という一連の操作の集合を擬似感性と名付けて研究している.ここでは,今までそれぞれの要素をどのように構築してきたか,それらの要素をどう統合してきたか,そして主な応用として考えている介護者支援ロボットについてお話ししたい.
11:55-13:00 <休憩(昼食)>
13:00-14:15 第2話 実環境下における人物画像センシングと実応用 ~人の検出・追跡から行動認識・理解・予測まで~
慶応義塾大学 理工学研究科 准教授 青木 義満
ロボットの活躍するシーンが多様化する中、実環境に対する適応能力に加え、環境内で活動している人間を検知して状況や行動を認識する対人間の認 識・理解能力は,人-ロボット-環境が真に調和し,察しの良い知的な情報環境を 構築する上での重要な要素技術である.本講演では,ロボットや環境に埋め込まれた視覚センサの情報から,実環境中において人間を検出,追跡する基本技術,姿勢推定や行動認識・予測といった最新のビジョン技術について,ロボット応用上の課題と思われる"ロバスト性","実時間性","簡便性"に重点を置きながら,最近の動向とわかりやすい事例を交えて説明する.
14:15-14:25 <休憩>
14:25-15:40 第3話 次世代液晶プロジェクタ組立接合ロボットの開発 ~人感性に迫る画質・光学調整技能の自動化~
NECグリーンプラットフォーム研究所 野崎 岳夫/栢沼 浩一
次世代液晶プロジェクタの高効率生産の実現に向け、小型/高輝度化が進行する液晶パネルを光学ユニットに高精度に実装・組立する画像処理応用組立ロボット技術について概説する。従来、光学ユニット組立は人の感性、画質判断に依存した高度な光学調整・組立スキルが必要で、これら曖昧な判断・調整技能を定量化し、最適なスクリーン投射画質が得られるまで液晶パネルを高精度に位置決め接合する画質調整・組立ロボットの実現は困難を極めた。本講演では、画像処理を応用した人の感性・判断に近い画質定量化モデル化技法と、画像センシング、感性情報、光学技術を利用して、6自由度・全18光軸のパネル画質調整自動化を実現する高精度位置決め技術を中心に解説する。
15:40-15:50 <休憩>
15:50-17:05 第4話 世界唯一の豚もも部位自動除骨ロボット-『HAMDAS-RX』の開発-
(株)前川製作所 海野 達哉
食品加工分野、特に精肉加工で世界で唯一、筋入れ(複雑な骨の形状に沿ってナイフで切れ目を入れる作業)から骨と肉との完全分離を高歩留まりかつ、全自動での除骨を可能にする豚もも部位自動除骨ロボット、『HAMDAS-RX』について概説する。大きさ、形状のばらつきが大きい豚もも部位をエックス線画像認識機能により肉中の骨形状を認識し、ロボット技術を活用する事で、自動化が極めて困難とされていた匠の技とされる、筋入れの自動化に成功した。コンベア上に豚もも部位を乗せるだけで、ローディング、筋入れ、骨と肉の分離までの作業を自動で行う。この様な技能の実現により、人手と同等の高品質の肉と安定した歩留まり確保、従来処理から比較して10人の省人を達成した。本セミナーでは、技術解説のほか、開発にあたっての苦労、誕生秘話を述べる。
17:05-17:15 <全体討議・質疑応答>
17:15-17:20 <閉会挨拶>
主 催:
一般社団法人 日本ロボット学会
協 賛(予定):
応用物理学会,計測自動制御学会,産業技術連携推進会議 医療福祉技術分科会,システム制御情報学会,情報処理学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本感性工学会,日本機械学会,日本シミュレーション学会,日本神経回路学会,日本設計工学会,日本時計学会,日本人間工学会,日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット工業会,農業食料工学会,バイオメカニズム学会