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第86回 極限環境で活かされるロボット技術とその実用化

開催日2014年9月12日(金)
開催地中央大学後楽園キャンパス2号館2階2221号室
セミナーレポートセミナーレポート

開催日:2014年9月12日(金)9:50~17:00(開場9:20)

遠隔セミナー:本セミナーの有料ネット配信を行います.詳細はこちらをご確認ください

開催地:中央大学後楽園キャンパス2号館2階2221号室(東京都文京区春日1-13-27)

レポートを公開致しました

会場アクセス:
http://www.chuo-u.ac.jp/access/kourakuen/
最寄り駅:東京メトロ丸ノ内線・南北線 後楽園駅 徒歩5分,または 都営地下鉄三田線・大江戸線 春日駅 徒歩7分

定 員:70名(定員になり次第締め切ります)

参加費(税込):
当学会及び協賛学会の正会員/8,500円,会員外/13,000円,学生(会員,非会員を問わず)/4,500円,
当学会賛助会員 招待券ご利用/無料,優待券ご利用/4,500円,左記サービス券なし/13,000円

  • 賛助会員の皆様へ:上記の招待券(2枚/口)及び優待券(10枚/口)は,年頭に各賛助会員学会窓口様宛に配布させて頂いておりますので有効にご活用ください.

口 上:
 今日のロボット技術には,人間が立ち入ることができない極限環境において活躍することが求められています.とりわけ福島第一原発の事故後は,原発建屋に複数のロボットが投入されました.本セミナーではこの極限環境を広く捉え,「火山,海,宇宙」といった多様な環境において用いられるロボット技術に注目し,ロボットの運用シナリオ,環境固有の技術的困難さやその解決に至る様々なアプローチを紹介して頂きます.さらに,ロボット運用時に得られたLessons Learned についても講演して頂きます.2014年より日本ロボット学会誌の論文評価の多様化に伴いロボットの実用化を視野に入れた「実証実験」というカテゴリが加わりました.当該分野への論文投稿を行う研究者へも示唆に富む講演を行って頂きます.
オーガナイザー:石上玄也(慶應義塾大学)


講演内容:

09:50-10:00 <開会挨拶・講師紹介>


10:00-11:00 第1話 ロボットを海に潜らせよう―自律型海中ロボットによる海底詳細観測を目指して―
東京大学 巻 俊宏
 自律型海中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)は新たな海中探査プラットフォームとして注目されているが,海中では電磁波が使えない,高圧である,環境に不確定要素が多いといった課題がある.本講演では,海中特有の技術的課題および一般的なAUVの構成について紹介するとともに,我々が開発してきたAUVをはじめとする海中プラットフォームシステムについて紹介する.特に海底環境の詳細な3次元画像マッピングを行うための手法について,ホバリング型AUV Tri-Dog 1 やTri-TONによる実海域での試験結果を交えて紹介する.


11:00-11:10 <休憩>


11:10-12:10 第2話 地雷探査除去ロボット等の現地実証実験でのLessons Learned と今後の開発動向
東京工業大学 福島 E.文彦
 本講演では東工大で実用化を目指して研究開発してきた極限環境適用型ロボットシステムやコンポーネントについて紹介する.特に,人道的地雷探査除去ロボットGryphon,高圧電線検査用ロボットExplinerや水中探査ロボット等の研究開発の詳細を説明し,多くの現地実証試験で得たLessons Learnedについてまとめ,極限環境下で確実に動作するために必要なロボット技術について説明し,今後の開発動向について紹介する.


12:10-13:00 <昼休み>


13:00-14:00 第3話 フィールドで生き残るロボットを創る
明治大学 黒田 洋司
 宇宙での探査機の成功や原発事故が起こったことなどにより,フィールドで活動するロボットへの関心が高まっている.宇宙はともかく,地上では一般に人が容易にアクセスできるため,ロボットは短時間,近距離で使うことを想定したものが多い.しかし,ロボット本来の機能を最大限に活用して,省力化したり,人が危険物に近づかなくて良いようにとするならば,ロボットは出来るだけ長期間,人の手を当てにせずに動作可能であることが望ましい.ここでは,火山や放射線が存在することを想定したフィールドで,長期間,ロボット独力で活動できる技術開発への取り組みについて紹介する.


14:00-14:10 <休憩>


14:10-15:10 第4話 活火山地域での遠隔調査を目的とした移動探査ロボット技術とその実用化
東北大学 永谷 圭司
 活動中の火山に対し,活動現場の付近で観測することは,後の噴火予測や住民の避難計画,砂防計画の策定を行う上で有用である.しかしながら,活動中の火山には人が立ち入ることができない.そこで,筆者の研究グループでは,モータ駆動の無人ヘリコプタと小型移動ロボットの複合システムで火山の遠隔移動調査を行う移動探査ロボットの研究開発を進めてきた.対象とするフィールドは,過去に何度も噴火を繰り返してきた浅間山(平成26年3月現在で噴火警戒レベルは1)である.本講演では,現在構築を進めているこの移動探査ロボットシステムに必要となる技術について述べると共に,実施したフィールド試験について紹介し,さらに,実用化するために超えなければならないハードルについて検討を行う.


15:10-15:20 <休憩>


15:20-16:20 第5話 マルチローターヘリの適用分野と展望
株式会社エンルート 伊豆 智幸
 コンピューターコントロールと親和性の高いマルチローターヘリ.従来の翼を可変させて飛行するような,メカニカルな部分が無く電気仕掛けで飛行するUAVは,様々なセンサー,制御手法との組合せで多くの可能性を秘めている.橋梁などのインフラ整備,3次元オルソ作成,災害対応,屋内検査,無線リピーター,UGVとの連携など,エンルートが取り組んでいる事例,動画を交えながら,現状の自律制御技術や,機体の性能,飛行安定性を紹介.さらに現場から寄せられる技術面,運用面の課題と,今後の開発テーマ,将来への展望について解説する.


16:20-16:30 <休憩>


16:30-17:30 第6話 国際宇宙ステーションを利用したテザー式移動ロボットの実証実験「REX-J」
JAXA 上田 敦史
 JAXAでは,宇宙飛行士の船外活動(EVA:Extra-vehicular Activity)を支援するロボットに求められる空間移動技術の軌道上実証を目的とし,テザー(ひも)と伸展式ロボットアームを用いて空間移動するロボットシステムを開発し,国際宇宙ステーション日本実験棟の船外実験プラットフォームにおいて地上からの遠隔操作による宇宙実験を実施した.本講演では,伸展式ロボットアームの動作及び作業実験,またテザー制御によるロボット空間移動実験を含む軌道上での実証実験結果について報告する.


17:30-17:40 <閉会挨拶>


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主 催:
一般社団法人 日本ロボット学会
協 賛(予定):
応用物理学会,計測自動制御学会,産業技術連携推進会議 医療福祉技術分科会,システム制御情報学会,情報処理学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本感性工学会,日本機械学会,日本シミュレーション学会,日本神経回路学会,日本設計工学会,日本時計学会,日本人間工学会,日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット工業会,農業食料工学会,バイオメカニズム学会