【オンライン開催】第145回 「極限環境で活躍する水中ロボットの世界」
開催日 | 2022年12月12日(月)9:00~18:00 |
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開催地 | オンライン配信で実施いたします |
会場 アクセス | 配信システム:zoomを使用予定。 |
定員 | オンライン配信200名(定員になり次第締め切ります) |
参加費 (税込) | 参加費・システム手数料共に税込み価格です. 2022年度の賛助会員招待券・優待券(有効期限:2022/12/31)をご使用いただけます |
主催 | 一般社団法人 日本ロボット学会 |
協賛 | 計測自動制御学会,産業技術連携推進会議 医療福祉技術分科会,システム制御情報学会,情報処理学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本感性工学会,日本機械学会,日本シミュレーション学会,日本神経回路学会,日本設計工学会,日本時計学会,日本人間工学会,日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット工業会,農業食料工学会,バイオメカニズム学会(以上20団体 協賛予定) |
※12/9 変更
- 現地参加/オンライン参加いずれの参加形態でも、講演後見逃し配信を実施予定です(通信状況により一部欠損した見逃し配信になる場合がございます)。※第7話につきましては、当日の講演のみとし、見逃し配信いたしません。ご了承ください。
口 上:
世界的に陸上資源が減少する中,地球表面の約7割を占める海(海中)に資源産出の可能性が見込まれている.特に日本は国土の12倍,かつ世界6位を誇る排他的経済水域を持つことから,その海洋資源には大きな期待が集まっている.日本政府は総合海洋政策本部を設置し,海洋資源のために必要な水中(海中)ロボット技術の向上に力を入れているが,最先端を歩む一部の研究者の技術力は向上するものの,水中ロボットに携わる研究者があまり増えず,日本全体では水中ロボット開発が盛り上がってはいない.この主な原因は,水中ロボットの開発の閾値が高く,その開発のノウハウや基礎技術がまとまっていないことが原因と考えられる.本セミナーでは,AUV(Autonomous Underwater Vehicle)開発,音響通信,耐圧容器設計,ロボット運用,運動制御,複数台展開,画像処理の専門家をお招きし,各講演者の皆様には水中ロボット開発に不可欠な技術を一から解説して頂く.
西田 祐也 (九州工業大学)
講演内容:
9:00-9:15 <開会挨拶・講師紹介>
9:15-10:15 第1話 働くAUV - 働かなくてはならないAUV
ディープ・リッジ・テク 浦 環
ロボットの研究は,基礎研究から始まって,人ができないこと,人に代わってやってほしいこと,たすけになってくれること,をやってくれるロボットを作って,そのことをやってくれて初めてゴールにたどり着く.ゴールにたどり着いた自律型海中ロボット,すなわちAUV達(Autonomous Underwater Vehicles)のゴールや歴史を踏まえて紹介し,AUV達は,何を成し遂げたのか,それはどういう意味があるのか,を解説し,次のゴールを見極める.
10:15-10:20<休憩>
10:20-11:20 第2話 水中音響通信・測位技術
KDDI総合研究所 小島 淳一
海中では電磁波の減衰が大きいので,陸上ロボットで一般的に使われている無線通信やGPSを海中で使うことができない.そのため,水中ロボットでは水中での減衰が少ない音波を使った通信や測位が使われている.本講演では,水中音波の特徴を説明し,一般的に使われている音響測位方式と水中音響通信の概要の説明を行う.また,講演者が開発した音響測位装置,通信装置の実例と,実運用上の課題を含めて紹介する.
11:20-12:30<休憩(昼食)>
12:30-13:30 第3話 外圧容器の設計手法
設計コンサルタント 高川 真一
海中ロボットの開発では,水圧から機器を保護するための外圧容器の設計が不可欠である.主たる形状は球あるいは円筒であるが,破壊様式が圧縮による座屈であるところが,一般の陸上や航空で使用される機器の設計手法と大きく異なる.材料も,一般の強度部材として使用される材料もあれば,窓材として透明なアクリル樹脂を用いることもあり,これらを組み合わせて設定水深で十分な強度を有し,かつ十分軽量である容器を設計することが求められる.講演者は強度設計の専門家ではないが,様々な海中機器を設計・開発してきたことから,ASME-PVHOやABS,DNVといった代表的な規則で要求される設計手法に基づく簡便な設計手法について紹介する.
13:30-13:35<休憩>
13:35-14:35 第4話 AUVの飛ばし方
日本海洋事業 石川 暁久
航行型AUVは,深海調査で必要不可欠とされている水中ロボットである.本講演では,JAMSTEC・AUVをベースに,AUVが活躍する背景,実運用の経験からくる,深海という,極限環境でのAUV運用の難しさ,進化し続けるAUVの機能や,調査潜航を成功させるためのシナリオの設計方法,AUVの運用や開発経験をベースに今後のAUVの在り方などを紹介する.
14:35-14:40<休憩>
14:40-15:40 第5話 船舶・海洋ロボットの運動制御
東京海洋大学 清水 悦郎
船舶や海洋ロボットに対してモデルベース制御を適用する場合には,始めに制御対象に対する数学モデルを導出する必要がある.本講演では船舶や海洋ロボットに対する数学モデルの特徴について紹介したのち,船舶・海洋ロボットの運動状態に応じたモデルベース制御系の適用法について紹介する.
15:40-15:45<休憩>
15:45-16:45 第6話 複数AUVの水中協調作業
海上技術安全研究所 篠野 雅彦
水中ロボットを利用する際,目的に応じて,複数機利用が必要な場合や,複数機利用の方が効率的な場合がある.本講演では,複数のAUVを同時利用する際,AUVの協調制御を行うことで,どのような作業が可能となり,そのためにどのような水中音響通信・測位が必要となるか説明する.また,複数の航行型AUVによる海底地形ソナー観測や,複数のホバリング型AUVによる湖底カメラ撮影,湖底近傍での音響センサーの水平展張等の実例を紹介する.
16:45-16:50<休憩>
16:50-17:50 第7話 21世紀もそろそろハーフ・タイム,世界は海洋ロボットに何を求めているのか?(※変更 当日講演のみ・見逃し配信無し)
東京大学 ソーントン・ブレア
海で働くロボットの活躍が注目され初めて30年以上経っている.「未来の夢を見る子供」時代を卒業し,「今の世界も変えていかないといけない青年・中年」となった海のロボットは,「本当に使えるか?」より「どう使うべきか?」を考えていく必要がある.本発表では,最先端の海洋ロボットの技術や運用形態のビジョンを紹介するうえ,21世紀半ばの社会的価値観によって加わるチャレンジ・これらに対して応えるために必要な取り組みについて考察する.
17:50-18:00 <閉会挨拶>
※運用方法の変更により(オンライン配信のタイムシフト配信(見逃し配信)の実施)、第132回セミナーより申込後のキャンセルは一切不可と致します。
セミナー参加に関する注意事項
- 会場,講師,日時等は都合により変更になる可能性がございますのでご了承下さい.最新の情報は学会ロボット工学セミナーHPに掲載されます.
- 台風等警報発令時のセミナー開催中止判断については「災害時における中止判断」のページをご確認ください.
- 当日,参加者の理解を深めるためテキストを配布致します.2020年度より電子データで配布となり,会場参加/オンライン参加ともにメールにて事前に配信を行います.また,テキストの後日販売は行いません.
- 参加者の撮影・録音行為は禁止させて頂きます。なお、撮影・録音を含む取材をご希望の場合は必ず事前に学会事務局までお問い合わせください。