【オンライン開催】第163回「ロボット自律移動の理論と実践」
| 開催日 | 2025年12月2日(火)9:00~18:00 |
|---|---|
| 開催地 | オンライン配信で実施いたします |
| 会場 アクセス | 配信システム:zoomを使用予定。 |
| 定員 | オンライン配信200名(定員になり次第締め切ります) |
| 参加費 (税込) | 参加費・システム手数料共に税込み価格です. 2025年度の賛助会員招待券・優待券(有効期限:2025/12/31)をご使用いただけます
団体視聴について ※受付方法等変更になりました |
| 主催 | 一般社団法人 日本ロボット学会 |
| 協賛 | 計測自動制御学会,産業技術連携推進会議 医療福祉技術分科会,システム制御情報学会,情報処理学会,人工知能学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,土木学会,日本感性工学会,日本機械学会,日本シミュレーション学会,日本神経回路学会,日本設計工学会,日本時計学会,日本人間工学会,日本バーチャルリアリティ学会,日本ロボット工業会,農業食料工学会,バイオメカニズム学会,農業情報学会(以上21団体予定) |
口 上:
ロボットの自律移動技術は長年にわたり研究が進められ,一部では移動ロボットや自動運転車などへの実用化が実現している.しかし,複雑な環境への対応や社会的な常識を考慮した知能的で頑健なふるまいの実現には,なお多くの課題が残されている.本セミナーは,こうした課題を克服するため,現在の技術の可能性と限界について理解を深めることを目的としている.自律移動技術の最前線で研究を行う専門家の方々をお招きし,その理論的背景とともに,実応用上の困難や未解決の課題についてご講演いただく.
オーガナイザー:松﨑 成道(トヨタ自動車)
講演内容:
9:00-9:15 <開会挨拶・講師紹介>
9:15-10:15 第1話 ロボットナビゲーション基盤モデルの学習
Toyota Motor North America/ カリフォルニア大学バークレー校 廣瀬 徳晃
本講演では,画像を用いたロボットナビゲーションをタスクとした,基盤モデルの学習方法について発表する.我々の方法は,1)非ロボットデータ,非エキスパートデータを学習可能とし,2)インターネットスケールの事前知識を学習に取り込み,3)マルチモーダルな解釈を可能とする学習アーキテクチャを導入することで,従前より空間的,意味的,また言語の理解が進んだモデルの学習を実現する.学習モデルは,多様な環境下で数種類のロボットを用いて評価実験を行っており,その様子を動画にて紹介する.また,新しいタスク,新しい環境,新しいデータドメインへの適合性も高く,基盤モデルとしての能力を確認している.本発表は,講演者がUC BerkeleyのSergey Levine 先生等と実施した2025年の研究成果を中心にまとめたものである.
10:15-10:20 <休憩>
10:20-11:20 第2話 自律移動と最適制御 ― 大域計画, 障害物回避, 機械学習, 潜在空間, 伝統的な制御の統一的な理解のために
千葉工業大学 上田 隆一
本講演では,移動ロボットの経路計画問題を最適制御問題に一般化していき,その過程で他分野との関係を議論する.移動ロボットが地図上の2点間を移動する経路計画問題は,探索手法を適用すれば解けてしまうため,それが制御問題であることには通常,気を払われない.しかし,歩行者などの回避手法との組み合わせ,強化学習やその他機械学習を用いる方法との定性的な比較や議論には,問題を制御問題として一般化する必要がある.しかし,同じ手法を背景とするコミュニティーがある程度大きくなると,そのような一般化した議論が忘れられがちになる.また,制御を専門とする研究者に研究内容を理解してもらうときに,本質的には同じハミルトン-ヤコビ-ベルマン方程式を扱っているにも関わらず,話が噛み合わないことも起こる.そこで本講演では上記のように様々な分野の関連性を説明することで,各自の研究の位置付けを考える手助けになることを目的とする.
11:20-11:25<休憩>
11:25-12:25 第3話 モデル予測制御から組み上げる自律移動ロボット
名古屋大学 / CyberAgent AI Lab 本田 康平
人間と同等もしくはそれ以上の自律移動をロボットが実現するためには,知的かつ頑健に多様な行動を遂行可能な行動計画が不可欠である.本講演では,モデル予測制御に基づく自律移動ロボットの行動計画に焦点を当てる.具体的には,近年のベースライン手法となっている確率推論ベースのモデル予測制御手法の解説や,その周辺分野の最新の研究動向を紹介する.また,我々の取り組んでいる高速自律走行,自動運転車両制御,強化学習との融合,Visual Navigationといった実応用・発展事例を紹介する.
12:25-13:35 <休憩(昼食)>
13:35-14:35 第4話 人間共存環境におけるロボットの自律移動
東京大学 山下 淳
渋谷スクランブル交差点のように多くの人が行き交う混雑した状況において,目的地までスイスイと移動できる自律移動ロボットをつくることは,ロボット研究者にとっての大きな目標の1つである.工場での自律搬送ロボットや高速道路での自動運転車との大きな違いは,ロボット・車の周囲にいるのは自身と似た機械ではなく,1人1人の行動パターンが異なっているかもしれない人間であることである.本講演では,人間とロボットが共存する環境における移動ロボットの自律移動手法について述べる.具体的には,人間のセンシング,人間の行動のモデリング,人間の軌道予測,ロボットのナビゲーション手法などについて紹介する.
14:35-14:40 <休憩>
14:40-15:40 第5話 人共存型スマートモビリティの協調移動技術
東京大学 亀﨑 允啓
日常生活支援・医療・介護・福祉・公共サービス等の分野における社会システム基盤として,「人間作業の支援や代替が可能なロボットシステム」の早期普及が期待されている.人と共有した空間を自由に動けるモビリティ(自律移動ロボットやパーソナルモビリティ)は,駅構内や空港など人が密集した場所でも制約を受けずに移動することが求められるが,従前より提案されてきた「回避と停止」のみによる制御側では,根本的にこれを実現できない.本講演では,ロボットの主体的な判断の導入と,人や環境から(へ)の接触の許容を核に据えた,人への接近過程および接触状態におけるロボットの同調・主張型協調移動技術,人とロボットが譲り合いながら安全・安心に移動する方法について紹介する.
15:40-15:45 <休憩>
15:45-16:45 第6話 四脚ロボットの学習制御と自律移動システムへの統合
千葉工業大学 入江 清
本講演では,講演者らが開発した四脚ロボットによる自律移動システムについて紹介する.ハードウェアには市販の四脚ロボット(Unitree Go2)を用い,歩行制御には独自に訓練した深層強化学習ベースの方策を実装している.さらに,3D LiDARを搭載し,SLAMに基づく自己位置推定や経路計画などのナビゲーション機能を統合した.本システムを活用し,つくばチャレンジにおける市街地環境や ICRA 2024 の四脚ロボットチャレンジにおける不整地環境など,さまざまな場面でナビゲーション実験を実施した.本講演では,学習ベースの制御を実ロボットに適用する際に直面する課題や,ナビゲーションシステムの統合・運用上の課題について議論するとともに,これらの実験を通して得られた知見を紹介する.
16:45-16:50 <休憩>
16:50-17:50 第7話 家庭用ロボットカチャカの自律移動機能について
株式会社Preferred Robotics 寺田 耕志
株式会社Preferred Roboticsは,近年著しい発展を遂げたSLAM技術とAI技術を基盤に,家庭・サービス業・製造業など幅広い分野で活用されている自律移動ロボット「Kachaka」を開発している.本講演では,特に家具の移動や人との協調といった多様な状況変化が生じる家庭環境において,安定した動作を実現するために弊社が採用しているSLAM,ナビゲーション,AI技術の要点を紹介する.また,実際の利用現場で直面する環境変動や人の動きといった実環境特有の課題についても取り上げ,今後の改良方針や技術的アプローチの方向性について考察を加える.
17:50-18:00 <閉会挨拶>
参加申込方法
必ず参加申込みおよび参加費のお支払い方法のご案内ページをご確認の上,下記よりお申し込みください.
※運用方法の変更により(オンライン配信のタイムシフト配信(見逃し配信)の実施)、第132回セミナーより申込後のキャンセルは一切不可と致します。
本セミナーオンライン参加希望の場合,下記よりお申込み,参加費支払のお手続きをお願いします.
優待券(有料)をご利用の場合もこちらからお申込みください.
申込締切:12月 1日(月) 18:00.
オンライン配信の概要についてはオンライン配信のご案内をご参照ください.
※本セミナーは2025年度の賛助会員優待券(有効期限:2025/12/31)をご利用いただけます。
賛助会員招待券や学生の特別優待券等,無料参加券をご利用の場合は下記よりお申し込みください.
申込締切:12月 1日(月) 13:00.※本セミナーは2025年度の賛助会員招待券(有効期限:2025/12/31)をご利用いただけます。
セミナー参加に関する注意事項
- 会場,講師,日時等は都合により変更になる可能性がございますのでご了承下さい.最新の情報は学会ロボット工学セミナーHPに掲載されます.
- 台風等警報発令時のセミナー開催中止判断については「災害時における中止判断」のページをご確認ください.
- 当日,参加者の理解を深めるためテキストを配布致します.2020年度より電子データで配布となり,会場参加/オンライン参加ともにメールにて事前に配信を行います.また,テキストの後日販売は行いません.
- 参加者のセミナー会場内での撮影・録音行為は禁止させて頂きます。なお、撮影・録音を含む取材をご希望の場合は必ず事前に学会事務局までお問い合わせください。